食の「安全」「安心」そして「セキュリティ」ということ - nikkeibp.jp

では消費者から見た「セキュリティ」とは何か。例えば、できるだけ食品添加物や農薬の使用が多いものは避けるということであるが、その方法は表示を見る、あるいはそれ以外の生産者や販売者の提供する情報に頼るしか方法がない。その表示がなかったり、表示そのものに嘘があれば消費者は「セキュリティ」を確保しようがない。

食に限らず、だなあ。
他者の提供するサービスを利用する場合、サービス内容の表示がなかったり、表示そのものに嘘があれば消費者は「セキュリティ」を確保しようがないのは変わらない。プライバシーマークにしてもISMSにしても、もちろんその他の認証も、嘘だったりテキトーだったりしたらまったく安心できない。
リンク先下部にさらにリンクがある。辿ってみると2ページに渡る記事が読める。その最後の見出しにこうある。

消費者が求める安心は結局、信頼性
食にまつわる消費者ニーズの落とし穴 第1回 企業が提供する食の「安全」と消費者が求める食の「安心」

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まさに食に限らず。
見出し以下を引用すべきかどうか迷ったが、結局引用しないことにした。セキュリティや安全ということに興味がある人にはリンク先を読むことをお薦めする。
この数年、できるだけ国産でかつ無農薬・減農薬・有機栽培の農産物や、抗生物質を含まない飼料で育てた畜産物を買うようにしている。もちろんすべてではない。比較的高価だし、そもそも近場で売っていないことの方が多い。また、病院で薬を処方された時は、医者の指示を良く聞き、念のため調べた上でできるだけ使用を控えるようにしている。そういう風に変わってきた。

しかし、だからと言って健康オタクになったわけではない。

ただ、「自分の身だ、注意してみよう」と思い、できることからやってみようとした。その結果、私の中に知識が溜まり自然と習慣になっていっただけだ。知識がなければ危機感も持たない。面倒だからと思考停止するだけだったように思う。知ってみると、こんなものよく食っていたなと思うものが多い。変なものの入っていない食材は味も良い。今は選んでおいしいものを食べるようになったせいか、体の調子も良い。

私は過去、企業の中で個人情報の保護に関わっていたが、個人レベルでの意識付けには非常に苦労した。その苦労が報われたかどうかはわからない。無駄ではなかったと思いたいが、すでにその職を辞してしまったので詳しいことはわからない。

ただ、当時感じていたのは、中には他人事のように聞く人もいるということだ。

私自身完璧ではないが、だからこそ「なるほど」と思うことは覚えておこう・活用しようとするし、自身に当てはめて効率よい対策を考えようとした。しかし、世の中には考えること自体が面倒以外の何者でもないという人もいるようだ。

面倒の次に来るのは思考停止。

経営者であれ従業員であれ、誰かが思考停止しているようでは、ルールを整備したところで効果は低いだろう。ルールが効果を出すためには、効果が出る仕組みにしなければならないが、個人の価値観をどう変えていくかということも必要に思う。すべてをIT化できるわけでもないし、IT化すればすべてが解決するわけでもない。どちらも必要で、目的に応じて手段は変わる。相互に補完しなければならないものだと思う。

何が信頼できるかできないか。それはそのサービスの作り手・提供者の人間性でもあるし、考え方・取り組み方でもあろうか。完璧は無い。作り手・サービス提供者・利用者のそれぞれが、完璧がないことを知った上で、では何がより安全かと求めることをしなければ、お互いに危険を遠ざけることは難しいように思う。