セキュリティ教育に応用したい「ビジネス心理学」

私がこれから書こうかなと思うことがここに書いてあります。私が書こうと思ってたものより、よっぽどいい感じで。あまりのタイムリーさにちょっと驚き。

私は、仕事と自分がうまく繋がっていないと、個人の中で必要性がなかなか生まれないと思っています。その必要性が生まれない顕著な例が、セキュリティとか業務改善だとも思っています。

仕事内容や職場が楽しくないと、その場を守りたいという欲求には繋がりません。そんな状態で「必要だから守れ」と押しつけられたって、せいぜい言われたことをやるだけだと思います。それじゃ意味がない…とまでは言いませんが*1、目先のことしか考えていないやり方じゃないかなあと思います。

もちろん、具体的にやって欲しいことや、やってはいけないこと、セキュリティの基礎知識なんかを教育するのは重要だと思います。でも、それやってりゃ後はいいのかと言うとそうでもない。言われたことしかやらない人は、言われたことすら満足にできない人と紙一重です。言われてないことにまで気を利かせたりしないからです。それは目指すところではないでしょう。

ですから、必要性をどうやってアピールするかを考えて対策した方がよいわけです。そうしなければ、せっかくのポリシーも本来の効果を発揮しないでしょう。e-ラーニングを使って強制的に勉強させたって、興味がなければその場しのぎの一夜漬けで終わっちゃうと思いますし。

ではどうやったら、必要性を感じさせたり興味を持たせたりできるでしょうか。私は、セキュリティの考え方が一番受け容れられやすい状態は、「守りたいものが明確な状態」で「脅威も明確な状態」だと思っています。つまり企業の場合は、従業員の守りたいものが仕事や職場になるように働きかけるのが一番の得策なのだと考えているわけです。

で、このサイト。前振りなげえ〜(笑)。

職場で過ごす時間は、一日の大半をしめます。仕事はお金を稼ぐのだから辛くて当然、大変なのは承知の上と、日々を時間の切り売りと割り切って生きている人は立派です。また、一般的なメンタルヘルスでも、「仕事以外の人間関係を広げて楽しく生きよう。」と、やはり仕事は滅私奉公だからと、仕事の外に憩いを求めようとする風潮があります。
しかし、そんな逃げともとれる、後ろ向きの発想とは、もう「さよなら」しよう。これから、他人を知りながら、自分を見つめる心理学で、よりレベルの高い人間に進化し、仕事を、人間関係を心から楽しもう。

トップページにこう書いてありますが、まさにこれを言いたかった。

私は、仕事や人生を苦痛と感じている人は、特に楽しいと思えない限り、セキュリティなどにプラス面を発見しないと思っています。そういう場合、彼らは何らかの報酬に対してプラス面を見ます。あるいはマイナス面を。少なくとも報酬がなければ、プラス面は無いものと判断するでしょう。セキュリティを押しつける側もそう思っていて、大抵の場合、処罰を盾に強制します。でも、それでは「やるのが当たり前」になるまでの道が遠い…と、私は感じています。

先ほど書いたように、私は、セキュリティの考え方が一番受け容れられやすい状態は、「守りたいものが明確な状態」で「脅威も明確な状態」だと思っています。その考え方を押し進めると、企業のセキュリティを人的側面から向上させるには、仕事や職場(そして人生)に対する愛着を高める必要があるという考え方になりました。これは、自分の仕事や人生に、どれだけ高く価値を感じるか、大切に感じるかということです。充実していない環境で、余計なことに真面目に取り組もうと考える人間はいませんから。

そのためには、仕事や人生を苦痛だと感じる状態から、楽しく幸せなことと感じる状態に変化させる必要があります。あるいは、楽しく幸せだと感じることと、仕事や人生を密接にリンクさせる必要があります。

…現実逃避のために書く文章なら、けっこう筆が進むんだけどなあ(^_^;)。

  • 追記:第4回 部下に好かれる上司とは? 〜伝え方のテクニック

部下の教育も、生徒指導も、家庭教育も、共通していえることは相手に自尊心を持たせることです。劣等感を持たせたままで教育しても、その人本来の能力が伸びてこないのです。

心理学で説明されていることにまたしても驚き。*2自分の考えが補強されるのは嬉しいものです。

*1:実際、短期的には効果があると思いますし。

*2:私は必ずしも良い上司ではないですが…(^_^;)