ASKACCS個人情報流出事故問題に関して…を読んで

ここ二日間、ほぼ携帯からしかネットを見られなかったので、今やっと読めました。

確かに、CGI脆弱性を指摘することについては、セキュアなネットワーク社会を構築するために有用な側面もあると考えます。しかし、セキュリティとは本来、個人情報など重要な情報を保護するという目的のために存在する「手段」であり、今回のこの男性の行為は、手段のために目的を犠牲としたもので、本末転倒と言わざるをえません。
この男性の目的が本当に「CGI脆弱性の指摘」であれば、実際に個人情報を入手し、不特定多数の人の前で公開することまでは必要なかったと考えます。

office氏が本当にどう思っていたかは本人でないのでわかりません。が、表面上どう言おうと、結果からみれば「ウケ狙い」に見えるのは仕方ないかなあと思います。
「手段のために目的を犠牲にした」と書かれてありますが、言い換えると、「手段のために目的を正当化した」と言うことでしょう。ゼロデイで公開だったり、*1ぼかし無しだったり、イベントで発表だったり、発表資料の持ち出しが可能だったりと、「脆弱性を指摘して、セキュアなネットワーク社会を構築する」という方向とは別の方を向いていたんだろうなと思います。推測でしかないですが、動機はやはり別の所にあったと考えるのが妥当なんでしょう。
ただ、それでも逮捕が妥当かどうかは私にはわかりません。正直に言えば見せしめに見えます。厳重注意でも十分だったのではないかと思います。
こういう結果は残念です。
追記

ユーザの個人情報を盾に、われわれを脅迫した人物でもあります。

むう…、ようやく飲み込めてきました。脅迫の内容がよくわかりませんが、そう受け取られるような何かがあったということでしょう。(事実かどうかは別の話として)これでは警察も逮捕せざるを得ないですかね。

●また、当社といたしましては、今回の事件の犯人がセキュリティの専門家を自任する人物で、その犯行の現場がセキュリティ関係者によるイベントだったという事実を重く受け止めています。
現在、ASKACCSの再開に向けた作業を進めていますが、セキュリティの専門家やセキュリティ技術に依存しないセキュリティのあり方、セキュリティに依存しない情報社会のあり方を模索していかなければならないと考えております。

そりゃ、不信感も高まるでしょうね。でも、「セキュリティに依存しない情報社会のあり方」ってのはどんな形なんでしょう。フルディスクロージャー? 個人情報も? どんな形かはわかりませんが、これからはセキュリティの定義から考え直さないといけないかも知れないですね。いや、真面目に。
さらに追記。

ASKACCS著作権・プライバシー相談室」を閉鎖に追い込んだ憎っくきサイバーテロリスト、「officeこと、××××」がついに逮捕されました!中川社長の声明文はこちらです。
それにしても、私、どうしても納得がいきません。officeは「脆弱性を指摘するためにやった」と言っているみたいですが、社長と面会したときには全然違うことを言っていたし。だいたい「脆弱性を指摘するため」なんて、犯行の動機としてあまりにも脆弱です。そんなことのために一線を越える人なんているわけがありません。きっと、他にもっと切実な動機があったんだと思います。ただ、それを口にすることができないんで、「脆弱性」とか言っているんでしょう。
とにかく、裁判になったら社長も法廷に立つようですから、みんなでお弁当を持って傍聴に行きましょう。

ああ、なんかわかっちゃった気がしますよ、ええ(-_-;)。
裁判になって判決が出るまでoffice氏のしたことの是非はわからないわけですが、これ書いた人がまったく反省してないことだけはよくわかりました。
ついでにこんなのも掲載してますね。中川文人氏はなんでこれを掲載したんでしょうかねえ…。
office氏の本名を伏せ字にしました。晒す必要無いし。)

*1:「事前に連絡してたけど改善しなかったので公開した」んだったっけ。