「癌12 頑張らない」をよんで

私の尊敬する人に桜井章一という人がいます。雀鬼と呼ばれている、裏麻雀界で20年間無敗だったという人です。*1それで、この人は雀荘を経営していて、そこで弟子を育てているんですが、一般に考えられている麻雀をやる人とはかなり違っていて、その人の考えでは生き方と麻雀が繋がっているんですね。もう、生き方が麻雀にすべて表れると。

で、その桜井さんの麻雀に対する考え方や運に対する考え方、人との接し方や生き方、そういったものに私は大変感銘を受けているんですが、その考え方の中で感性というのが非常に大きな意味を持っているんです。感性とはつまりアンテナですね。

まず、感性が磨かれていないと、周囲の状況や自分を把握することができません。観察していても感性が鈍っていると知覚できないで、自分の状況しか目に入らなくなってくる。でも、麻雀は自分だけでやるものじゃありませんから、自分の状況だけ見てても本当にいいのか悪いのかはわかりません。一見よく見えても、実は周りはもっといいかも知れない。だから迷う。

麻雀だけでなく体もそうです。人間も動物ですから、自分の体の感覚に敏感であれば、体調がいいか悪いかは自分でわかるもののはずです。それが感性が鈍っているとわからない。自分の体なのにわからない。それは本当は不自然なわけです。

人間関係もそうです。そういう風に自分のこともよくわからない状態だと、他人のことなんてわかるはずがありません。わからないとなると、これはもう本当に小さなことまで全部影響してしまいます。そしてその影響は麻雀の打ち方はおろか、生活の仕方、普段の言動や姿勢に全て出るんですね。

もちろん、嫌なものを嫌だと言ってるだけだと、人間として鍛えられませんし大事なものにも気付けません。堪えなきゃいけない時、堪えた方がいい時ってのは間違いなくあります。ただ、いつも堪えてばかりではなくて、自分の感情や反応に正直になったり、自分を労る時ってのも必要なんだということです。そうでないと感覚がおかしくなってしまう。桜井さんはそれを「土に還る」と表現しています。

私もあまり立派なことを言えるものではないので、この理解で絶対に間違っていないとは言えませんが、桜井さんの言葉から私が学んだものはそういうことでした。

以上、れですもさんの「頑張らない」を読んで感じたことを書いてみました。BBSに書こうと思ったんですが、書いてみたら長くなってしまったのでこっちにアップしました。

*1:1回だけお目にかかった程度ですが会ったとことがあります。一見の客なのに満面の笑顔で出迎えてくれて、とても気さくな人でした。