朱子学と陽明学の利点と欠点

陽明学との出会い

方谷29才の京都遊学で、陽明学と出会う。このとき、王陽明伝習録から朱子学陽明学の それぞれの利点と欠点を理解し、正しい学び方を修得する。

朱子学の利点は、初心者でも、学問の順を追って学べば、深く学ぶことができる。しかし、欠点は、我が心の内を忘れて、我が心が得心しているかは問わない。一方、陽明学の利点は、我が心が得心しているのかを問うて、人間性の本質に迫ることができ、道理を正しく判別でき、事業においては成果を出すことができる。しかし、欠点は、私欲にかられた心で、行為に走ると道理の判断を誤ることが多い。よって、先人達の教訓や古典から真摯に学び、努力することが求められる。

こののち、方谷は、弟子達から陽明学の教えを請われても、安易に教えることはせず、朱子学を深く学ぶことを諭した。これは、己の心のままに行為に走ってしまいやすい陽明学の欠点を熟知していたことによる。

朱子学は嫌いというか、陽明学よりも軽視していた。朱子学は、なんかガチガチな学問って印象があって。
安岡正篤先生の著作だか発言だったかに「朱子学を排したことは無い」とあったけど、それを読んだ当時はそれでも朱子学のいいところを理解できなかったなあ。というか、受け入れられなかったな。
今これを読んで、ようやくなるほどと思える自分がいる。15年くらい経ってやっと理解できる時がきたか。