プライバシーとは何か

プライバシーを辞書で引いてみると、

プライバシー [privacy]
(1)私事。私生活。また、秘密。
(2)私生活上の秘密と名誉を第三者におかされない法的権利。

とある。
これを見る限り、そもそもが権利の定義なのでプライバシー権と表記すると意味が重複してしまうが、私事・私生活の意味も持っているので、ここでは以下のように区別する。

  1. 私事・私生活を指す場合にはプライバシーと表記する。
  2. 権利の部分を指す場合にはプライバシー権と表記する。

私生活とあるので、公人の場合には、特に公益性の面から当人のプライバシー権が緩く扱われることがある。

それはともかく、私人にとってはすべての個人情報がプライバシー権の対象となる。秘匿しておきたい情報は、個人によって変わるし、同じ個人でも状況によって変わる。だから、「万人に共通する、プライバシーでない個人情報」は無いと言える。重要なのは、何を知られたくないと思うかは個人によって違うと言うことだ。
また、個人情報は何が何でも秘密にしたい情報ばかりではない。上記したように、情報は活用できなければ価値を失うものだ。住所や連絡先は、会社や友人に秘密にしていては関係が成り立たない。クレジットカードの情報を知らせずに買い物をすることもできない。自分の個人情報は、自分が有益に使うためにコントロールできなければ意味がないのである。

以上のことを換言すると、「秘密にしておきたい情報を秘密にしておける個人の権利」「自分に関する情報をコントロールできる権利」と言えるだろう。*1

参考 新聞労連の公人の定義(最下部)*2
http://www.shinbunroren.or.jp/purai.htm

また、犯罪者のプライバシー権も事件性や話題性に応じて緩くなる傾向がある。

参考 プライバシーと法の限界
http://www.fine.bun.kyoto-u.ac.jp/tr1/03okuda2.html
参考 Tea Room for Conference
http://www.office.ac/tearoom/noframe.cgi#No.1523
参考 ChangeLog で Web 日記
http://cgi14.plala.or.jp/imaishi/changelog/2003-07-10.html#2003-07-10-1
参考 辺境から戯れ言「個人情報じゃないけど知られたくない」
http://www.alles.or.jp/~spiegel/200307.html#d09_t1
参考 辺境から戯れ言「個人情報じゃないけど知られたくない(2)」
http://www.alles.or.jp/~spiegel/200307.html#d20_t4

*1:ただし、私人であっても公益に反することで権利を行使することはできない。信用情報を当人がコントロールできてしまうと、信用情報自体の存在価値を失ってしまう。

*2:この定義が唯一絶対とは思わないし議論の余地もあるだろうけど、一般的な認識と大きくずれてはいないものと思う。少なくとも「マスコミの言う公人」と言う意味において、私の認識とずれていない。